2025年12月12日、石井大智投手は契約更改に臨み、1億1800万円増となる年俸2億円でサインしていました。将来的なポスティングでのメジャー挑戦にも意欲を見せ、期待は高まる一方でした。
ところが2026年2月11日、沖縄・宜野座キャンプの紅白戦で異変が起きます。
ベースカバーに入ろうと走った瞬間、石井の左足に痛みが走りました。
診断は「左アキレス腱の損傷」。翌12日、出場予定だったWBC日本代表を辞退することになりました。
2月下旬に左アキレス腱断裂縫合術を受けています。手術日は日刊スポーツが2月21日、スポーツ報知が2月20日と報じ、今季中の復帰は難しいとも報じられていました。
前年に50試合連続無失点というNPB新記録を打ち立てた「ミスターゼロ」にとって、想定外の長期離脱でした。
リハビリの歩みと161日ぶりの実戦形式

2月27日、球団施設SGL尼崎でリハビリが始まります。
3月3日は台に座った状態でのキャッチボールから。5月1日には本格的なキャッチボールを再開しました。
6月20日、手術後初めてブルペン入り。6月25日には藤川球児監督が今季中の1軍復帰に言及しています。
そして7月22日、尼崎の球団施設でライブBPに登板。実に161日ぶりの実戦形式でした。
このとき石井は「普通ぐらいじゃないですかね。それかまあ僕の中ではちょっと遅いぐらい」と語っています。自身の回復ペースに対する基準の高さがうかがえる一言でした。
8月23日、ファーム・ソフトバンク戦で実戦復帰を果たします。193日ぶりのマウンドで1回2安打無失点3奪三振。捕手を務めた梅野隆太郎選手からは「球が強かった」との言葉をもらったといいます。
目標球速を聞かれると「目標は164キロ出すことなので。え? 笑ってください」とジョークを飛ばす場面もありました。
ファーム5試合で防御率1.80、球速は152キロまで戻る

出典:石井大智ついに確定する! – 阪神熱血とらほーチャンネル
復帰後のファーム登板は5試合。5回を投げて1失点、9奪三振、2勝0敗、防御率1.80という数字を積み上げました。
球速も着実に戻っています。8月23日は最速152キロ、26日は149キロ、29日は151キロ、9月2日も151キロを計測。8月29日のオリックス戦(ほっともっとフィールド神戸)では3者連続三振を奪っています。
平田勝男2軍監督はこの投球を「直球も変化球も、これぞ1軍で実績のある投手」と評価しました。格の違いを見せてくれている、とも語っています。
9月4日、5日のDeNA戦(甲子園)での1軍昇格が決まりました。負傷から206日、石井は今季初めて1軍のユニフォームに袖を通します。同日には下村海翔投手、岡城快生外野手も同時に1軍合流しました。
「去年の姿には戻りたくない」という言葉

出典:【阪神タイガース】 石井大智、奇跡の1軍復帰へ…連覇&日本一へのラストピース#阪神#阪神タイガース#石井大智#阪神ファン#阪神ファンと繋がりたい#プロ野球#プロ野球ニュース#甲子園 – スポ神
復帰にあたり、石井は意外な発言を残しています。
昨2025年、石井は53試合に登板し防御率0.17を記録しました。自責点のある投手としてはNPB史上初の0.1点台という数字です。
それでも本人は「戻したいと思わないし、もちろん去年が自分の中で数字的には良くできたと思うが、パフォーマンス的には全然、自分の求めているものとは離れている」と話し、あえて昨季を目標にしない考えを示しました。
藤川監督は就任後、スタッフに全選手の「故障履歴リスト」の作成を指示してきました。東スポWEBの取材には「アメリカなら負傷者を出した時点で、担当スタッフは解雇されますから」と、故障予防への強いこだわりを語っています。
9月3日時点で阪神は68勝50敗1分の首位。2位巨人に5.0ゲーム差をつけ、優勝マジックは18まで来ています。絶対的セットアッパーの復帰は、リーグ連覇への大きな一歩です。
