甲子園で見せた10奪三振完封、あの投手がマウンドを降りる

出典:2006春 成田・唐川侑己 三者三振で甲子園デビュー – ocha1018
2006年春、甲子園のマウンドで一人の高校生が10奪三振・5安打完封を演じました。
大会は第78回選抜高等学校野球大会、相手は小松島高校です。
この投手こそ、千葉ロッテマリーンズの唐川侑己投手(37)。
千葉ロッテマリーンズは2026年9月4日、唐川投手が今季限りで現役を引退すると球団公式サイトで発表しました。
2007年の高校生ドラフト1巡目でロッテに入団してから19年、他球団への移籍は一度もありません。
ロッテひと筋を貫いた投手人生に、まもなく幕が下ります。
引退会見は9月8日16時に予定されています。
引退セレモニーは10月3日、福岡ソフトバンク戦(ZOZOマリンスタジアム・18時開始)で行われる予定です。
ドラフト1位競合の末に入団、”平成初勝利投手”の記録も

出典:🚨 モダンタイトル🚨【ロッテ激震】唐川侑己が19年の現役生活に幕…ドラ1右腕が最後に明かした“忘れられない19年間”にファン涙 – Nippon stories 📖
唐川投手は千葉県成田市出身、成田高校卒。
高校時代は甲子園に3回出場し、通算1勝2敗・防御率0.90という数字を残しました。
2007年10月3日の高校生ドラフトでは、ロッテと広島が1巡目で重複指名。
抽選の末にロッテが交渉権を獲得し、契約金9000万円・年俸1000万円で入団しています。
プロ入り後の成長も早く、2008年4月26日の福岡ソフトバンク戦で初登板・初先発を果たすと、7回無失点で初勝利を挙げました。
ドラフト制導入後、ロッテ球団史上初となる高卒新人の初登板初先発初勝利です。
平成生まれのプロ野球選手による勝利投手第1号という記録も残しています。
キャリアハイは12勝、中継ぎ転向後は防御率1.19の”第2のキャリア”

先発投手としての唐川投手は、2011年に自身初の規定投球回に到達。
12勝6敗・防御率2.41、3完封という成績を残し、オールスターにも出場しました。
数字だけ見ると順風満帆ですが、ここで終わらないのがこの投手のキャリアです。
2018年頃から先発を離れ、中継ぎへ転向。
カットボールとスプリットを多投するスタイルに投球を作り替えました。
その結果、2020年には32試合登板で防御率1.19、2021年には自己最多の26ホールドをマーク。
2019年から2021年までは3年連続で二桁ホールドを記録し、リリーフとして再ブレイクを果たしています。
しかし2022年以降は登板数が急減しました。
2023年6試合、2024年8試合、2025年2試合と出場機会が減り、2026年は5月30日の阪神戦、5回4失点(被本塁打3)の1試合のみに終わっています。
通算成績は350試合登板、82勝78敗64ホールド、防御率3.71です。
「高校BIG3」最後の現役、19年間への思い

出典:【ビッグ3が初対決】唐川侑己vs中田翔 第1ラウンド – プロ野球チャンネル パ
唐川投手は2007年ドラフトで注目された「高校生BIG3」の一人でした。
大阪桐蔭高から日本ハム入りした中田翔選手、仙台育英高から当時最速155キロでヤクルト入りした佐藤由規選手とともに、この世代を象徴する存在です。
佐藤由規選手は2020年、中田翔選手は2025年限りでそれぞれ現役を退いており、唐川投手の引退で3人全員がユニホームを脱ぐことになりました。
3人の中で最も長く現役を続けたのが唐川投手です。
球団を通じて発表されたコメントで、唐川投手はこう振り返っています。
「ここ数年は思うようにチームの力になれない中、覚悟を持って今シーズンを迎え、自分自身と向き合った末に決断に至りました」
「ルーキーイヤー、マリンでの初登板で感じた大きな声援と、胸が震えるような感動は、今でも鮮明に覚えています」
19年間の在籍期間は、ロッテ生え抜き投手としては村田兆治氏の22年に次ぐ長さです。
10月3日のセレモニーで相対するのは、プロ初勝利を挙げた相手でもある福岡ソフトバンクホークス。
デビューの地で始まったキャリアが、同じ相手との一戦で締めくくられます。
