3度目の断裂で「もう現役を終えよう」と思った男

出典:【宮市亮 復活ゴール】アディショナルタイムのドラマ‼宮市亮が逆転ゴール&復帰後初ゴール【ゴール動画】 – Jリーグ公式チャンネル
宮市亮が三笘への思いを語った。
その言葉が響くのは、宮市自身が3度の前十字靭帯断裂というキャリアを脅かし続けた怪我を乗り越えてきた選手だからだ。
2022年7月27日、EAFF E-1サッカー選手権の韓国戦で右膝前十字靭帯を断裂——それは約10年ぶりの日本代表復帰の舞台だった。
受傷直後、宮市はSNS・ブログでこう吐露している。
「『やってしまった』と同時に『もう現役を終えよう。』と思っていました」(サッカーキング 2022年7月報道)
待ちに待った代表の舞台で、また奈落の底へ。
同じく怪我と戦ってきた選手だからこそ語れる言葉がある。
18歳でアーセナル——輝かしい才能と、怪我に奪われた時間

出典:宮市亮 大怪我の連続 ガラスの天才 アーセナル ボルトン 横浜F・マリノス 日本代表 – Woody Football
知ってました?宮市亮は高校在学中にアーセナルと契約した初の日本人選手です。
2010年12月、アーセン・ベンゲル監督から「リョウ、君のプレーを高く評価している」と直接声をかけられ契約(Number Web報道)。
2011年2月にはフィテッセ戦で18歳1ヶ月23日でデビューし、欧州主要リーグの日本人最年少出場記録を打ち立てた。
その後、ボルトン・ウィガン(プレミアリーグ)、トゥエンテ(オランダ)への期限付き移籍を経験。しかし——
怪我との戦いの歴史が始まった。
| 怪我 | 時期 |
|---|---|
| 左膝前十字靭帯断裂(1度目) | 欧州在籍中 |
| 右膝前十字靭帯断裂(2度目) | 欧州在籍中 |
| 右膝前十字靭帯断裂(3度目) | 2022年7月27日 |
加えて右足首靭帯損傷、左太腿裏筋断裂、グロインペイン症候群も経験。怪我のたびにキャリアが停滞し続けた。
引退を踏みとどまらせた「大量のメッセージ」

出典:【独占取材】帰ってきた宮市亮!復帰までの想いに迫る – サッカーキング
3度目の断裂後、宮市は本気で引退を考えた。
それを思いとどまらせたのが、チームメイトやサポーターから届いた大量のメッセージだったという(サッカーダイジェスト報道)。
「ラストチャンスと思って、そういう覚悟で頑張りたいです」
引退撤回後に掲げた目標は、「ただ戻るだけ」ではなかった。
「生半可な気持ちでは戻れない」「怪我を負う前よりもスピードアップする」——そんな言葉とともに、長いリハビリへ向かった(サッカーダイジェスト報道)。
その覚悟は、やがて数字で証明されることになる。
「このままじゃ終われない」32歳が刻む数字

2023年5月、長いリハビリを経てピッチへ復帰。
GPS計測で最高速度37km/hを記録。32歳、3度の前十字靭帯断裂後の数字とは思えない。
2023年シーズンは怪我による離脱ゼロで完走(復帰後初のフルシーズン)。2024シーズンはJ1リーグ22試合出場・2得点を記録している(サッカーダイジェスト報道)。
2025年3月のGOETHEのインタビューでの言葉が印象的だ。
「このままじゃ終われない」
「相手を抜くんだ、負けないという闘争心はあるけれど、エゴはもう全くない」(GOETHE 2025年3月)
怪我を通じて変わったのは闘争心の質だ。
「一日一日に感謝するマインド」でピッチに立てることへの感謝を毎試合感じるようになったという。
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意外と知られていない事実がある。
宮市が3度目の断裂を負ったのは、約10年ぶりの日本代表復帰の舞台だった。
待ちに待って手にした機会で、また奈落の底へ。それでも現役を続け、32歳で最高速度37km/hを記録する。
その経験から語られる三笘への言葉には、重みがある。
