凪良ゆう「小鳥たち」が入っている2冊

出典:【書評】息抜きできないほどリアル。凪良ゆうさん『多類婚姻譚』 – むらかみ弁護士の本棚@神戸
同じ短編が、19日違いで別々の出版社から出ました。
作品名は「小鳥たち」。凪良ゆうさんの短編で、この作品だけの単独本はありません。
読めるのは、2026年5月に発売された次の2冊です。
| 書名 | 出版社 | 発売日 | 価格(税込) | 収録順 |
|---|---|---|---|---|
| 『本屋さんのある街で』 | 文春文庫 | 5月8日 | 770円 | 4番目 |
| 『多類婚姻譚』 | 講談社 | 5月27日 | 2,090円 | 3番目 |
一方は5人の作家による競作アンソロジー。
もう一方は凪良さんひとりで書いた連作短編集です。
タイトルで検索しても本が出てこなかった方は、この2冊を探してみてください。
「小鳥たち」のあらすじ 書店を継いだ一葉

出典:本屋大賞に「汝、星のごとく」 凪良ゆうさん2度目の受賞(2023年4月12日) – テレ東BIZ ダイジェスト
主人公は40代の女性・一葉(かずは)。
離婚したあと、父の書店を継いでいます。
話が動き出すのは、その書店を改装している最中。
中学時代の同級生で、昔ほのかに想いを寄せていた越智が店にやって来ます。
越智が抱えている事情は、こうです。
- 適応障害と診断され、休職している
- 妻とは別居中
離婚した一葉と、別居中の越智。
2人は少しずつ、自分の事情を話し合っていきます。
本屋という場所に、結婚の行き詰まりを抱えた大人が2人。
この組み合わせのおかげで、「本屋」と「結婚」という別々のテーマを持つ2冊に、どちらにも無理なく入れたのでしょう。
文春文庫『本屋さんのある街で』版の「小鳥たち」

出典:『汝、星のごとく』横浜流星✕広瀬すず✕凪良ゆうSPECIAL TALK part1 – 東宝MOVIEチャンネル
「街の本屋さんへ行こう!」がテーマの5人競作
凪良さんのほかに、瀬尾まいこさん、坂木司さん、一穂ミチさん、三浦しをんさんが書いています。
「小鳥たち」以外の4編はこちら。
- 瀬尾まいこ「続きは書店で」
- 一穂ミチ「歌うように生きて」
- 坂木司「手に取って見てみろよ」
- 三浦しをん「見晴らし書店の一日」
発売2か月で6万3000部
文藝春秋は7月9日、発売から2か月で累計6万3000部に達したと発表しました。
電子版も紙と同じ770円です。
この本に寄せたコメントで、凪良さんは子どもの頃に通った岐阜市の小さな書店について書いています。
その店はもうなくなっていたそうです。
書店を継ぐ女性を描いた作家に、なくなった町の本屋の記憶がある。読む前に知っておくと、一葉の店の見え方が変わります。
講談社『多類婚姻譚』版の「小鳥たち」

出典:『汝、星のごとく』横浜流星✕広瀬すず✕凪良ゆうSPECIAL TALK part2 – 東宝MOVIEチャンネル
5編がつながる連作の3話目
『多類婚姻譚』は5編の連作短編集。
「小鳥たち」のほかに、次の4編が入っています。
- Thank you for your understanding
- Beautiful Dreamer
- Position Talk
- C’est la vie
どの話にも大手食品会社の社員が登場します。
前の話の主人公がその後どうなったかも、次の話でわかるつくりです。
アンソロジーではほかの作家の作品と並ぶ1編。こちらでは、前後の話とつながった1章として一葉と越智を追うことになります。
直木賞候補にも
7月15日の第175回直木賞選考会では候補作でしたが、受賞は逃しました。
受賞作は朝倉かすみ『けんぐゎい』です(秋田魁新報)。
書評家の瀧井朝世さんは、6月11日の週刊文春でこの本を取り上げました。「特に第2話と第4話は、当事者の危機感が肌感覚で伝わるほど言葉にパンチがある」という評です。
「小鳥たち」は第3話なので、特に推された2編のちょうど間に置かれています。
「小鳥たち」の初出は『オール讀物』?

出典:結婚にまつわる小説SP!凪良ゆう新刊『多類婚姻譚』を深掘り!多様性の時代で執筆のきっかけは…?【あの本、読みました?】 – テレ東BIZ ダイジェスト
最初に載ったのは、『オール讀物』2025年5・6月号の特集「本屋さんへ行こう!」だとみられます。
この号には、一穂ミチさんと凪良さんの競作が掲載されました。
とはいえ、まだ断定はできません。
講談社の製品ページが開けず、初出の表記を一次資料で確認できていないからです。雑誌に載った作品と同じものかどうかも、わかっていません。
検索結果の要約にだけ出てきて、裏が取れていない情報もあります。
- 単行本にするときに全編を加筆・改稿した
- 『多類婚姻譚』が12万部を超えた
雑誌の特集名と文庫のテーマは、ほとんど同じ言葉です。手がかりにはなりますが、確定させるには講談社側の表記を確かめる必要があります。
あわせて読みたい
- 凪良ゆうが「合わない」と言われる理由は?本人も語った“周りに合わせる苦痛”
- 凪良ゆうの顔は豊洲で広瀬すずの隣に 登壇写真と取材カットの探し方
- 凪良ゆうのインスタは見当たらず 発信はX一本、投稿1.6万件の中身
- 凪良ゆうの血液型は公表されてる?本屋大賞2度受賞作家の素顔を数字で
- 凪良ゆうの朝イチ出演はいつ?分かっている事実と新刊『多類婚姻譚』
まとめ 「小鳥たち」はどちらの本で読む?

出典:結婚は“愛”から始まった制度じゃない!? 凪良ゆう『多類婚姻譚』からたどる結婚の歴史#4 – オリコンBiZトーク、oricon
- 「小鳥たち」は凪良ゆうさんの短編で、単独の本はない
- 文春文庫『本屋さんのある街で』(770円)では5人競作の4番目
- 講談社『多類婚姻譚』(2,090円)では連作5編の3番目
- 主人公は書店を継いだ一葉。相手は休職・別居中の同級生・越智
本屋が舞台の話として味わうなら文庫。
結婚をめぐる連作の流れの中で読むなら『多類婚姻譚』。
同じ1編でも、隣に並ぶ作品によって印象は変わります。
10月9日には、凪良さん原作の映画『汝、星のごとく』が公開されたばかりです。
11月13日には、トーハン本社でイベント「BOOK MEETS NEXT 2026 凪良ゆうが語る『小説と物語の未来』」が予定されています。対話の相手は河北壮平さんです。
