大谷翔平の後輩が始球式のマウンドへ

熊本から岩手の高校へ、野球のためだけに進学した16歳がいます。
その選手が今、本拠地ドジャースタジアムのマウンドに立ちました。
セットポジションから左足を大きく上げるダイナミックなフォームで、ノーバウンドの直球を投げ込んだのです。
投げ終えると深々と一礼し、笑顔を見せました。
この人物が、岩手・花巻東高校女子硬式野球部1年生の寺本悠里さん(16)です。
佐々木朗希が捕手を務めた一球
2026年9月20日(日本時間21日)、ドジャース対ジャイアンツ戦の試合前に始球式を担当しました。
捕手役は同じ岩手県出身、大船渡高OBの佐々木朗希投手(24)。
デイリースポーツの報道によると、投じたボールはやや右打席方向にそれたものの、力のこもった一球だったといいます。
一礼した所作はSNSでも話題を呼びました。
球団の公式SNSには「投球フォームがすごい」「マウンド、グラウンドへの礼が素晴らしくて感動」といった声が寄せられています。
熊本から岩手へ 女子硬式野球のために選んだ進路

出典:女子野球の新星 寺本悠里さんが花巻東へ「将来は故郷 熊本に自分のチームを」177cmの逸材が抱く壮大な夢と覚悟 – RKK NEWS DIG
寺本さんの出身は熊本県。
女子硬式野球をやるために、わざわざ岩手・花巻東高校へ進学しました。
身長178センチ、直球の最速は118キロ。ポジションは右腕投手で、現在は投手として活動していますが、将来的な二刀流も視野に入れているといいます。
試合前日、球場の規模について本人はこう語っています。
「規模が違うのは知ってたんですけど、実際に来てみて本当にすべてが大きいです。野球をしてる人からすると夢の場所。最高です」
始球式そのものについても、サンケイスポーツの取材にコメントを残しました。
「こんなに素晴らしい球場で投げられるのはとてもありがたいですし、楽しもうと思う」
憧れの大谷翔平と同じ背番号17

背番号は「17」。花巻東高時代の大谷翔平が着けていた番号と同じです。ユニホームには「IWATE」の文字が入りました。
同じ番号、同じ憧れ――偶然にしては出来すぎている巡り合わせです。
背番号について、寺本さんはこう明かしています。
「(大谷さんは)憧れの存在。うれしいですし、自分が一番好きな番号です」
大谷への思いは背番号だけにとどまりません。
「やっぱ自分の憧れの存在」「大谷翔平選手に憧れ、大谷選手の本をたくさん持っています」
スポーツ報知の取材では、こんな変化も語っています。
「目標の設定の仕方なども学び、それまで以上に練習を楽しいと思えるようになりました」
2020年に贈られたピッチングマシン
花巻東高の女子硬式野球部は2020年春に発足しました。
このとき大谷翔平がホイール式ピッチングマシンを寄贈し、正面には「大谷翔平寄贈」の文字が入っています。同じ年、菊池雄星からも練習球などが贈られました。
寺本さんは「毎日使わせてもらってありがたいです」と、日頃の練習への感謝を口にしています。
岩手県政150周年の事業で実現した渡米
今回の渡米は、岩手県ふるさと振興部が主催する「岩手県政150周年記念事業 次世代人材育成プログラム」によるものです。
県内高校生らを対象に4月1日から5月7日まで参加者を募集し、選考会を経て決定しました。県政150周年、そして東日本大震災津波から15年の節目にあたる事業です。
2026年9月15日から22日にかけて、岩手県内の高校生ら50人が米国西海岸を訪問。寺本さんもその一員でした。
球場では大谷翔平・佐々木朗希と高校生たちが交流し、記念撮影も行われました。
大谷はこの試合、負傷者リスト入りのため欠場していましたが、高校生側から2人へメッセージ入りユニホームと寄せ書き横断幕が贈呈されています。
大谷と佐々木がユニホーム姿で現れると、生徒たちからは「キャ~」「ウォ~」「やばっ~!」「すご!」と歓声が上がりました。
寺本さんは将来の目標も語っています。
「将来的にアメリカに出るのが自分の夢」「アメリカで勉強もしたいですし、野球もしたいです」
熊本から岩手、そして今回のロサンゼルス。進路を自分で選んできた16歳の視線は、すでにその先に向いています。
