提出期限の3日前、上林誠知が動いた

戦力外通告を受けて2年。拾われた側の外野手が、今度は自分から市場に出る道を選びました。
中日スポーツとスポーツ報知によると、中日の上林誠知外野手(31)は11月6日、国内FA権を行使すると決め、同日中に球団へ伝えました。書類の提出期限は11月9日。ぎりぎりまで悩み抜いた末の結論です。
権利を得たのは2026年9月でした。
- 決断が分かったのは11月6日
- 球団への報告も同日
- FAランクは「Cランク」とみられ、獲得球団に人的補償は発生しない
- 中日は、宣言したうえで残る「宣言残留」も認める方針
今回の取材では、球団や本人による正式な宣言の発表までは確認できていません。
規定打席からアキレス腱断裂、そして戦力外へ

出典:上林誠知がFA行使を決断!「必要としてくれるところでやりたい」阪神が3年4億円で獲得へ – スポ速JAPAN⭐
22本塁打の2018年
キャリアの高みは2018年でした。143試合にフル出場し、自己最多の22本塁打。三塁打14本はプロ野球歴代4位タイの数字です。2017年にはソフトバンクで初めて規定打席に到達し、リーグ優勝にも貢献しています。
故障が続いた時期
風向きが変わったのは2019年。右手薬指の骨折でした。2020年以降は出場機会が減り、2022年には右アキレス腱を断裂します。
そして2023年オフ、ソフトバンクから戦力外通告。声をかけたのが中日でした。
中日で取り戻した数字
2024年にはウエスタン・リーグ史上初のサイクルヒットを記録。2025年は134試合で打率.270、17本塁打、52打点、27盗塁と、本塁打と盗塁がともに2ケタに乗るのは6年ぶりでした。
2026年は膝の負傷で出遅れ、それでも8月に一発

出典:【中日】「ケガでほったらかしにしてFAかよ」上林誠知の決断にファン賛否両論! – 中日どらほーチャンネル
飛躍が期待された今季は、3月17日のオープン戦で右膝裏を負傷しました。靭帯の部分断裂という診断で、長期離脱を余儀なくされます。
7月14日に二軍戦で実戦復帰し、8月13日に一軍へ。同日のDeNA戦、第1打席でいきなり今季1号のソロ本塁打を放ちました。
数字を並べると、その重みが見えてきます。
- 2025年:134試合、17本塁打、27盗塁
- 2026年:25試合、打率.230、2本塁打、2盗塁
出場は25試合にとどまりました。FA市場での評価を左右する材料は、昨季の実績と、復帰後の内容になりそうです。
工藤新監督との再会が、結論を難しくした

出典:「工藤さんなら中日の◯◯をまず変える」ソフトバンクホークス時代の工藤監督を知りつくす上林誠知が思わず漏らした本音が的確すぎる! – 全力スクイズ
ここまで迷った背景には、人間関係があります。
10月中旬、ソフトバンクで5度の日本一を果たした工藤公康氏(63)が中日の新監督に就任。上林にとっては、ソフトバンク時代に起用してもらった恩師との再会でした。スポニチやSmart FLASHの報道では、工藤監督から残留を求められていたとされます。
10月27日、ナゴヤ球場での秋季練習後に上林は「時間がある限り考えたい」と話し、スポーツ報知には「必要としてくれるところでやりたい」と語っています。
シーズン終了後には中日と2回会談し、複数回の交渉で条件の提示も受けました。拾ってくれた球団への恩義と、成長し続けられる環境への思い。その間で揺れていると報じられてきました。
今後の焦点は外野の空き枠と他球団の評価

出典:【FA】上林誠知 国内FA権行使を決断【プロ野球反応集】 – こちら野球の反応集(現在こちらで投稿中)
中日の外野には細川成也、岡林勇希、花田旭がいます。Sportivaで野球評論家の高木豊氏は、空いているのはライトくらいだという見方を示しました。上林をCランクとみたうえで、動向は監督交代次第とも分析しています。
中日スポーツによると、上林は中日との残留交渉も含め、他球団の評価を聞いたうえで来季の所属先を決める考えです。阪神が獲得に向けて調査しているとの報道もあります。
宣言残留の道が残されている以上、FA宣言がそのまま退団を意味するわけではありません。
見守るのは、どの球団が、どんな役割を提示するか。その中身が、31歳の選択を決めることになります。
