戸田ラストゲーム、幻となった13-5の行方

埼玉・戸田市の荒川沿いに、傘を差した人影がびっしり並びました。
その数、およそ500人。
2026年9月23日、ヤクルト2軍の本拠地・戸田球場で最後の公式戦が行われ、球場外からこの試合を見守ったファンたちです。
対戦相手はハヤテ。試合は3回途中、雨脚が強まって中断しました。
一度外したグラウンドシートを再びかぶせることになり、そのままノーゲームが宣告されます。
3回表を終えた時点でヤクルトは13-5とリード。打者のべ14人、8安打10得点という猛打でしたが、記録には一切残らない「幻」の展開となりました(日刊スポーツ、スポーツ報知)。
城石憲之2軍監督は試合後、「本当はこのまま試合が続いて、勝ちゲームで締めくくれるというのが一番」と悔しさもにじませています。
満員の球場、始球式は49年連れ添ったクリーニング店主

出典:【ハマスタ/最後の雄姿】石川雅規投手へ花束のサプライズ!敵味方関係なく球場の全員が石川投手のプロ野球人生を讃える!(2026.9.19/横浜スタジアム) – ハマの軌跡
正午すぎの時点で、定員350人のスタンドはほぼ満員でした。
入場券はすでに売り切れ。
土手の500人と合わせると、集まったファンは約850人にのぼります(サンケイスポーツ)。荒川沿いの土手が観客で埋まるのは、この球場でも異例の光景でした。
始球式のマウンドに上がったのは、永井クリーニング代表の永井富治さん、81歳。
球団の練習着を1977年の開場から49年間洗い続けてきた人物です。
「緊張したけど、もう最高でした。49年間ですからね。たくさんの思い出が詰まっている」
サンケイスポーツの取材に、そう語っています。
石川雅規、プロの原点がこの球場だった

出典:今季限りで引退の石川雅規投手について – 【公式】落合博満のオレ流チャンネル
この日、石川雅規投手の登板はありませんでした。
46歳、現役最年長で今季限りの引退を発表している石川投手にとって、戸田球場は特別な場所です。
2002年1月、青山学院大学からヤクルトに自由獲得枠で入団した石川投手が、新人合同自主トレで最初に汗を流したのがこの球場でした。
今季も、この球場で若手選手たちと並んで練習を重ねてきました。
ノーゲーム宣告後、雨の中でセレモニーが行われます。
石山泰稚投手と小川泰弘投手から花束を受け取り、チームメートに5度、宙へ舞いました。
「僕も25年現役させていただいて、その中でプロのスタートがやっぱり戸田球場だった」
「プロの原点というところでのゲームがなくなるというか、今年で最後というのはすごくやっぱり寂しい思いと、感謝の気持ちですよね」
サンケイスポーツの取材に、石川投手はそう振り返っています。
スポーツ報知は、雨に打たれながらも「穏やかな笑みを浮かべていた」と伝えました。
来季は茨城の新拠点へ、引退試合は10月3日

出典:🔥【ついに最後】46歳・石川雅規、10月3日神宮で引退試合決定…最後の雄姿にファン涙😭⚾ – Tokyo News
1977年に開場した戸田球場は、今季で50シーズン目を迎えていました。
来季からの2軍本拠地は、茨城県守谷市に建設中の新施設「Swallows Wings Square」。2027年3月の開業が予定されています。
城石監督はこの日をこう総括しました。
「これも記憶に残る1日になったのではないでしょうか。非常に長い歴史の中でたくさんの選手がプレーをした場所です」
「寂しい気持ちもありますが、ぜひ選手と一緒に新しい歴史をつくっていってほしいです」
石川投手の引退試合は、10月3日(土)18時、神宮球場の中日戦です。
試合後にはセレモニーが予定され、VTR上映と花束贈呈、本人の挨拶が続く見通しとなっています。
通算551試合、188勝194敗、3165回2/3、防御率3.94、1787奪三振。
25年かけて積み上げてきた数字が、10日後の神宮でひとつの区切りを迎えます。
