2026年5月22日、都内での会見。
宇野昌磨(28歳)と本田真凜(24歳)の二人が声をそろえた瞬間が、話題を呼んだ。
「せーの、2030年冬季五輪に出場することです」。
この発表を受け、X(旧Twitter)で「アイスダンス」はトレンド1位を記録した。スポーツファン以外の層にまで広がるこの反響が、二人の挑戦の規模を物語っている。
チーム名「しょまりん」はファン発信の愛称だった

出典:名古屋市出身のフィギュアスケーター・宇野昌磨さん 本田真凜さんとアイスダンスチーム結成へ – 中京テレビNEWS
チーム名は「しょまりん」。
「昌磨(しょうま)」と「真凜(まりん)」を組み合わせた呼び方は、もともとファンの間で自然と定着していた愛称だ。それをそのまま公式のチーム名として採用したのが、今回の会見での一つの見どころだった。
さかのぼれば、本田真凜は2024年1月に現役引退を発表。宇野昌磨はその約4か月後の同年5月、Instagramに「21年間スケートを続けられた」とつづって競技の舞台を去った。
ところが、その年の10月には二人揃ってカナダ・モントリオールへと飛んでいた。引退からわずか半年足らずでの決断だ。
世界最高峰「I.AM」に飛び込んだ1年半

出典:【宇野昌磨・本田真凜】アイスダンスチーム結成記者会見|トヨタイムズスポーツ – トヨタイムズスポーツ
練習拠点として選んだのが、I.AM(アイスダンス・アカデミー・モントリオール)だ。
担当コーチはマリ=フランス・デュブレイユ、パトリス・ローゾン、ロマン・アグノエルの3名。I.AMは過去に複数の五輪王者・世界王者を輩出してきたアイスダンス界の名門で、「世界最高峰の育成機関」として広く知られている。
二人の苦労は相当なものだった。
宇野はアイスショー「Ice Brave」で既にアイスダンスを披露していたが、その経験について「二人して頭から氷に突っ込んで転んだこともあった。極めて難しい挑戦だった」と語っていた。ジャンプで世界と渡り合ってきた選手が、それほど難しいと言い切る競技だ。
それでも1年半以上、極秘でモントリオールの氷の上に立ち続けたという事実が、二人の覚悟を何より物語っている。
「遊びではないと思ってほしい」——宇野が強調した本気度

出典:宇野昌磨&本田真凜が競技アイスダンス挑戦を発表 24年10月に決断「五輪出場という目標を掲げ、向き合い続けてきた」「強い覚悟を持って」 – JPOP TV
Olympics.comの独占インタビューで宇野昌磨はこう語っている。
「本気でやっているということを多くの人が理解してくれているのがうれしい。遊びではないと思ってほしい」。
二人が積み上げてきた実績は確かだ。宇野は平昌五輪で銀メダル(日本男子史上3人目のメダリスト)、北京五輪では団体銀・個人銅を獲得。世界選手権を連覇し、日本男子フィギュア史上初の3冠保有者となった。本田真凜は2016年世界ジュニア選手権優勝という実績を持つ。
シングル競技での実績がアイスダンスで直接通用するわけではないが、フィギュアスケーターとしての基礎能力は、転向組の中でも際立っていると見られている。
今秋から大会参戦——2030年五輪まで残り約4年

出典:本田真凜 宇野昌磨 正確な日時にお届けします宇野運送 #フィギュアスケート – アイドル【魅】毎日更新
「しょまりん」は2026-27年シーズン、今秋から大会出場を開始する予定だ。
目標とする2030年冬季五輪はフランスのサヴォワ=アヌシーでの開催が決定しており、今回の発表から残り約4年。アイスダンスの五輪出場枠は各国に限りがあり、国内・国際の予選を段階的に勝ち抜く必要がある。
過去の実績がそのまま評価されるわけではなく、あくまでアイスダンスの選手として評価を積み上げていく必要がある——これが転向組にとって最大の関門だ。
Xのトレンド1位が示したように、注目度は既に高い。世界最高峰の指導陣を後ろ盾に、「しょまりん」が今秋、競技の舞台に初めて立つ。
