落車から9日後、静かに訪れた訃報

出典:【競輪】 諸橋愛さん レース落車 死去 死亡 瞬間! 事故 アクシデント 頚髄損傷による 多臓器不全 2026年9月22日 – 古塔つみ
顔面からバンクに叩きつけられるような落車でした。
競輪選手の諸橋愛さん(49)が2026年9月21日午前2時14分、死去しました。死因は頚髄損傷による多臓器不全と、スポニチアネックスやスポーツ報知が報じています。
発表したのはJKA(公益財団法人)。9月22日のことでした。
事故が起きたのは9日前、奈良競輪場です。G3「平安賞in奈良」3日目のS級準決勝で、諸橋さんは最終2センターで内側に進路を取り、他の選手と接触して落車しました。
その場で応急処置を受け、奈良市内の病院へ緊急搬送されていたといいます。日本競輪選手会新潟支部に所属し、ホームバンクは地元・弥彦競輪場でした。
「かなり危なかったけど、切り抜けられた」

事故前日となる9月11日、諸橋さんは平安賞in奈良の二次予選を3着で通過しています。
このときスポーツ報知の取材に応じ、レース内容をこう振り返っていました。
「まくり切れるのかなと思って、自分は内へ。かなり危なかったけど、切り抜けられた」
杉浦侑吾選手(愛知)の番手を回る作戦について「もっと余裕を持って付いていければいいんだけど、力が入ってますね」とも語っています。これが事実上、最後の公開コメントになりました。
翌12日の準決勝では吉田拓矢選手・宿口陽一選手(いずれも関東)との連係を予定していましたが、落車で棄権。同じレースでは宿口選手も落車棄権となっています。
なお平安賞は本来、京都向日町競輪場の記念競走です。同競輪場が改修で休止中のため、2025年に続き奈良競輪場での代替開催でした。
通算435勝、賞金9億7018万円 追込みの名手

1997年、弥彦競輪場でデビュー。新潟県西蒲原郡出身で、日本競輪選手養成所79期生でした。高校時代はインターハイの自転車4000m速度競走で優勝した実力者です。
2004年の青森記念でG3初優勝。以降、共同通信社杯(2017年・G2)を含め通算9勝を積み重ねました。弥彦記念は2017年から2019年まで3連覇。2021年には四日市記念でG3通算8勝目を挙げています。
2017年、賞金ランキング6位でKEIRINグランプリに初出場するも、この年は落車棄権・失格に終わりました。翌2018年、競輪界で9人しかいないS級S班に格付けされています。
生涯成績は2377戦435勝、獲得賞金は9億7018万500円(報道値)。脚質は追込み、愛称は「メグ」。関東地区の選手とは折り合いの悪さでも知られましたが、のちに和解した経緯があるとWikipediaは伝えています。
2026年シーズンは優勝2回、勝率9.8%。直近4カ月は23走のうち1着2回・2着1回・3着4回という成績を残していました。
競輪界で相次ぐ死亡事故、高まる安全対策の声

出典:🚨【競輪界に衝撃】諸橋愛選手、レース中の事故から9日…49歳で逝去 突然の別れに広がる悲しみ – Tokyo Tadka
2026年、競輪選手の死亡事故は諸橋さんが3件目です。
7月19日には、アテネ五輪チームスプリント銀メダリストの伏見俊昭さん(50)が松阪競輪のレース中に外柵へ激突し、頸髄損傷で死去しました。通算619勝、KEIRINグランプリを2001年と2007年に制した実力者でした。
3月には日本競輪選手養成所の1年目候補生が走路訓練中に落車し、負傷から1週間後の13日に死亡しています。
半年の間に3件の死亡事故が重なったことで、競輪界では安全対策の見直しを求める声が高まる事態となりました。奈良競輪場では2025年に続き代替開催が行われていた中での事故だけに、開催体制も含めた検証が求められそうです。
