8月2日の生放送、これが最後の「あっぱれ」になった

2026年8月2日、TBS系「サンデーモーニング」に張本勲さんが生出演しました。
話題は巨人・坂本勇人選手(37)のオールスターゲーム選出。恒例の「あっぱれ」を贈っています。
「坂本じゃないよ、坂本を選んでくれたファンにあっぱれ。よくぞ坂本を選んでくれた」
続けて、こう語っていました。
「坂本はまだまだ4年、5年やれるんだから、もうやめようという気持ちは絶対にもたないこと」
30年以上出演してきた同番組でしたが、これが最後の出演、最後の「あっぱれ」になりました。9月9日、張本さんは東京都大田区の路上に止めた車の中で見つかり、搬送先で死亡が確認されています。86歳でした。
引退説が流れる中での球宴選出だった

出典:【“監督時代”は優しかった】高橋由伸さん「厳しい張本さんがいなくなるのは寂しい」張本勲さんとの現役時代・巨人監督時代の思い出明かす|2026年9月10日取材 – 日テレスポーツ【公式】
張本さんが「あっぱれ」を贈った球宴選出には、実は伏線がありました。
2026年7月22日、週刊文春が「引退説が流れているのは事実」と報道。
坂本は同誌の取材にこう答えていました。
「個人の記録はあまり思っていないので。その日のヒット1本打てることの方が嬉しい」
その直後、マイナビオールスターゲーム2026のプラスワン投票で坂本が30,684票を獲得。セ・リーグの”最後の1人”に選ばれます。
3年ぶり15度目の選出でした。7月29日の球宴第2戦では9回に代打で出場し、西武・岩城の145キロ直球を左前打。2021年以来1837日ぶりの球宴安打で、現役最多となる通算21安打目を記録しました。
張本さんの「あっぱれ」は、こうした逆風の中での選出に対する評価でした。
「3000本はお前しかいない」託された記録

出典:【3000本はお前しかいない】巨人・坂本勇人が張本勲さん死去うけ「温かい言葉いつもくれていた」胸の内明かす|2026年9月10日取材 – 日テレスポーツ【公式】
張本さんの通算安打は3085本。NPB史上最多の記録です。
坂本の通算安打は2026年9月13日時点で2471本(NPB公式)。張本さんの記録まで614本の差があります。
死去後の取材で、坂本はこんなエピソードを明かしました。
「3000本はお前しかいないと、よく言われていました。なかなか厳しい数字ですけど」
張本さんは「誰にもマネできない打撃フォームを作り上げた。彼なら3000本打てる」とも語っていたそうです。
「打撃の神様」と呼んでいた川上哲治氏の記録を坂本が抜くことについては、「私の記録を抜くよりもうれしいはず」という言葉も残していました。数字の更新を、坂本に自分の代わりとして託していたことがうかがえます。
生前取材で語っていた本音「記録より長く」
![[追悼] 張本勲はどれくらい凄かったのか?](https://img.youtube.com/vi/53XSdi3kW2I/hqdefault.jpg)
出典:[追悼] 張本勲はどれくらい凄かったのか? – 野球偉人伝
スポーツ報知は9月14日、2年前に行った取材での張本さんの言葉を追悼記事として配信しました。
「本当は記録うんぬんよりもね……長く続けるための体調管理を大切に」
「スーパースターに一日でも長く、現役を続けてもらいたい。それが彼に贈る言葉です」
記録の数字そのものより、坂本が現役であり続けることを願う言葉です。歯に衣着せぬ物言いで知られた解説者らしく、記録更新という結果より、立ち続ける過程を評価する姿勢が一貫していました。
坂本は今季59試合で打率.179と苦しんでいます。通算では2331試合2471安打、打率.285。それでも張本さんは記録よりも継続を望み続けていました。
訃報を受けた坂本は「朝ニュースで知ったんですけど、本当にビックリしました。寂しいなという気持ちです」とだけ語っています。
