元Jリーガー京谷和幸が脊髄損傷から11日後に入籍した理由とは

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事故から11日後、病室で交わした入籍

ゲスト:京谷和幸(元車いすバスケットボール日本代表)

出典:ゲスト:京谷和幸(元車いすバスケットボール日本代表) – ニッポンチャレンジドアスリート

結婚式の衣装合わせを翌日に控えた1993年11月28日午前4時40分。

京谷和幸さんは車を運転中、脇道から出てきた車を避けようとして電柱に正面衝突しました。

第5・第6胸椎を圧迫脱臼骨折し、みぞおちから下の感覚を失う重傷でした。

事故当時22歳。Jリーグ開幕からわずか半年、東日本JR古河サッカークラブ(現ジェフユナイテッド市原・千葉)でプロ入りしたばかりのMFでした。

事故から3時間後、朝7時に意識を取り戻すと、婚約者だった陽子さんが病室にいました。

その11日後の12月9日、陽子さんは面会中に突然「入籍しよう」と切り出します。

「今じゃなきゃ、ダメなの!」という言葉に押され、京谷さんはベッドの上で婚姻届にサインしました。致知出版社のインタビューで本人がそう振り返っています。

延期していた結婚式は、事故から11か月後の1994年10月23日に挙げられました。

「なんかにおうね」妻が見せた覚悟

車いすバスケヘッドコーチの京谷和幸さんが講演

出典:車いすバスケヘッドコーチの京谷和幸さんが講演 – 北海道新聞 どうしん動画ニュース

陽子さんの両親は「まだ若いし、障害を持つ人と結婚しなくていい」と反対しました。

それでも陽子さんは首を縦に振らなかったといいます。

自分の障害の重さを本当の意味で知ったのは、妻が病室に置き忘れた日記でした。

「脊髄神経がダメになった」という記述を目にして、現実を受け止めたと京谷さんは話しています。

入院中のおむつ交換でも、陽子さんは嫌な顔ひとつ見せず「なんかにおうね」とさりげなく処理していました。

京谷さんはPHP研究所の取材に「オレなら、こんなことできない」と語っています。

事故前は「オレが1番」という性格だったが、車いすになって初めて本当に感謝する気持ちが芽生えた。本人はそう明かしています。

車いすバスケで4大会連続パラリンピック出場

『ロス2028パラリンピックへ』車いすバスケットボール男子日本代表 京谷和幸ヘッドコーチ インタビュー

出典:『ロス2028パラリンピックへ』車いすバスケットボール男子日本代表 京谷和幸ヘッドコーチ インタビュー – 日本車いすバスケットボール連盟

1994年、リハビリセンター入院中に車いすバスケットボールと出会います。

浦安市役所福祉課の窓口で、元日本代表ヘッドコーチの小滝修さんに声をかけられたのがきっかけでした。

以後は千葉ホークスに所属し、2000年シドニーから2012年ロンドンまで4大会連続でパラリンピックに出場。

障害区分は最も重いカテゴリーの「1.0」でした。

2012年の引退後はコーチに転身し、2020年に男子日本代表ヘッドコーチへ就任します。

2021年の東京パラリンピック決勝ではアメリカに60-64で敗れたものの、日本車いすバスケ史上初のメダルとなる銀メダルを獲得しました。

2024年のパリ大会予選は4位で出場権を逃しましたが、2025年11月のアジア・オセアニアチャンピオンシップスで2位通過し世界選手権出場権を獲得。

2026年7月には東京・墨田区のネイションズカップで3勝1敗として優勝しています。

浦安市PR大使、古巣ジェフとの新たな取り組み

現在の京谷さんは浦安市在住32年を超え、2026年4月に浦安市PR大使の2期目を委嘱されました。

千葉県教育委員会教育委員、城西国際大学サッカー部の外部コーチも務めています。

2025年には古巣ジェフユナイテッド市原・千葉が、京谷さん主宰の「きっかけプロジェクト」への協力を発表しました。

同年5月31日のJ2第18節レノファ山口戦には、障がいのある子ども約20人が招待されています。

夫妻の歩みは2009年公開の映画「パラレル 愛はすべてを乗り越える―。」や、2017年放送のフジテレビ新春ドラマ「君に捧げるエンブレム」(主演・櫻井翔)としても映像化されました。

1993年の事故から今日まで、妻とともに歩んできた32年あまりの記録です。

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