打撃ケージ裏で頭を下げ続けた投手

8月27日、バンテリンドームでの試合前練習でのことです。
打撃ケージの裏で、阪神の投手が中日・井上一樹監督(55歳)に何度も頭を下げていました。
その投手は桐敷拓馬(27歳)。前日の試合で中日・土田龍空内野手(23歳)に死球を与えた本人です。
坂本誠志郎捕手(32歳)、大山悠輔内野手(31歳)も同行し、井上監督に直接謝罪しました。日刊スポーツによると、井上監督は桐敷の肩を軽くたたきながら言葉を交わし、坂本の肩に手を置いて笑顔も見せたといいます。
「わざとじゃないのは分かっている。自分のことをしっかりやりなさいよと伝えました」
中日スポーツの取材に、井上監督はそう振り返っています。遺恨を残さない対応でした。
各スポーツ紙は27日午後3時台から一斉にこの様子を報じ、SNS上でも話題になりました。
147キロの直球、8回裏の場内騒然

謝罪の発端は前日8月26日、中日4-0阪神の8回裏にさかのぼります。
4番手で登板した桐敷は、1死から土田への3球目、147キロの直球を背中付近に当ててしまいました。球場は一瞬で静まり返ります。
藤川球児監督(46歳)はベンチを飛び出し、帽子を取って中日ベンチへ深々と一礼しました。桐敷自身も帽子を脱いで頭を下げています。
土田は途中交代し、試合後に病院へ直行。診断は右肩甲骨陥没骨折でした。
井上監督は試合直後の時点で「(ショートは)誰でも守れるところではない」とコメントしていましたが、その後の精密検査で骨折が判明した流れになります。
土田選手にとっては受難が続きます。5月14日にもDeNA・ルイーズ投手から151キロの直球を頭部付近に受け、危険球退場になったばかりでした。
11日前にも同じ箇所を骨折していた

実はこの死球、中日にとって初めての出来事ではありません。
8月15日の巨人戦でも、正遊撃手の村松開人が死球を受け、同じ右肩甲骨を骨折して離脱していました。土田はその代役として遊撃を守っていた最中の出来事です。
11日間で2人目、しかも同一箇所の骨折。中日の内野は苦しい状況に立たされています。
村松の件では8月16日、巨人・橋上秀樹監督代行が試合前に井上監督へ謝罪に訪れていました。「真剣勝負の中で起こったアクシデントと受け止めています」。橋上監督代行はそう語っています。
今回の桐敷の謝罪は、それに続く2度目の「相手チームからの試合前謝罪」でした。
なお8回の前、7回にも阪神・津田淳哉投手が中日・石川昂弥に死球を与えており、2イニング連続の死球にスタンドからは大きなブーイングが起きていたと、デイリースポーツは伝えています。ファンの間では、当てた側の投手にペナルティがないことへの不満も上がりました。
両チームとも登録抹消、阪神は連敗

出典:🔥阪神に激震‼️桐敷拓馬まさかの登録抹消😱 防御率2.52の鉄腕左腕が離脱でファン騒然⚡️ #阪神タイガース #桐敷拓馬 #プロ野球 🐯⚾️ – New Nippon
8月27日の公示で、中日は土田を登録抹消し山本泰寛を登録。阪神も津田を抹消し岡留英貴を登録しました。
ベースボールチャンネルによると、抹消された選手の再登録は9月6日以降になる見込みです。1軍登録抹消の最短期間は10日と定められており、土田がベンチに戻るまでには、まだ時間がかかります。
前日の一戦を4-0で落とした阪神は、これで中日に2連敗。東スポWEBの報道では、2位巨人とのゲーム差は1.5に縮まったといいます。
謝罪という区切りはついたものの、両チームとも主力を欠いたまま戦いは続きます。井上監督と桐敷が交わした言葉の通り、次に問われるのはグラウンド上での結果です。
