中1日のエースを襲った3回の崩壊

2026年8月20日、甲子園準決勝。
横浜は智弁和歌山と対戦し、1-7で敗れました。
先発したのは、準々決勝からわずか中1日での登板となったエース織田翔希です。
初回に横浜が先制した直後、3回に崩れます。
荒井優聖から3連打を浴び、山田凛虎に同点二塁打を許すと、楠本龍生に152キロの直球を右翼席へ運ばれました。
3ラン被弾です。
中日スポーツによると、織田の投球成績は2回1/3、56球、被安打8、4失点、奪三振1。
途中でのKO降板となりました。
スポーツ報知は、織田の失点は「4試合ぶり」と伝えています。
2回戦から準々決勝までの3試合は、無失点を続けていました。
「情けない」降板の心境を語る

出典:【涙…織田翔希の夏が終わる】横浜高校 選手達と監督 甲子園退場シーン。【夏の甲子園 準決勝】 – ボネるんチャンネル【阪神ファンの大学生】
高校野球ドットコムの取材に、織田は降板の心境を語っています。
3ランについては「甘く入ってしまった」。
早期降板には「ここで変えられることが本当にすごく情けなくて、チームに悪い流れをもたらしたままマウンドを降りてしまった」と振り返りました。
「最後の最後に何してるんだろう」と、自らを悔やむ言葉も漏らしています。
進路について問われると「何も考えられない」とだけ答えました。
2026年秋のドラフト1位候補と目される18歳の胸中は、簡単には言葉にできないものだったようです。
顔を上げられなかったアルプス席への挨拶

出典:“甲子園史上最速”横浜・織田翔希 150キロ台連発で無失点の立ち上がり|花巻東―横浜 1回裏【第108回全国高校野球選手権大会】 – バーチャル高校野球公式チャンネル
試合後、織田は目に涙を浮かべたまま整列しました。
中日スポーツによれば、アルプス席への挨拶では顔を上げられず、自然と涙がこぼれ落ちていたといいます。
本人はこう振り返りました。
「負けた瞬間は、一番にスタンドで応援してくれてる仲間の顔が浮かんで、本当に申し訳ないという気持ちがすごく大きかった」
一方で、こんな言葉も口にしています。
「このチームのエースで今日もしっかりとマウンドで投げることができて、本当にすごく楽しかった」
涙の裏には、チームへの責任感と誇りが同居していました。
3日前に届いた渡辺元智さんの言葉

出典:【横浜高校】学校ロケ/甲子園優勝候補/神奈川を制した圧倒的強さの秘密/内野6人シフト構想/織田翔希の可能性/夏の甲子園2026【PIVOT BASEBALL】 – PIVOT 公式チャンネル
準決勝のわずか3日前、8月17日に横浜高元監督の渡辺元智さんが81歳で死去しました。
春夏通算5度の全国制覇、甲子園通算51勝の名将です。
1998年には松坂大輔を擁して春夏連覇を達成しています。
NHKの報道によると、渡辺さんは生前、織田をこう評価していました。
「高校時代の松坂と比べると、織田の方がいいんじゃないかな。将来的にプロの世界でも松坂クラスになる可能性を秘めている」
そして「チームメートを信じて投げなさい」との言葉を残していたといいます。
横浜は1998年以来28年ぶりの夏V奪還を目指していましたが、届きませんでした。
一方の智弁和歌山は、荒井優聖、山田凛虎、楠本龍生の活躍と先発・和気匠太の好投で、2021年以来5年ぶりの決勝進出を決めています。
