宇野昌磨のイナバウアーは別の技?12歳から続けるクリムキンイーグルの由来とコツ

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宇野昌磨の「イナバウアー」の正式名はクリムキンイーグル

宇野昌磨 Shoma Uno

出典:宇野昌磨 Shoma Uno – moonlighting106106

背中が氷面すれすれまで沈み、両足のつま先は真横に180度。テレビの前で「イナバウアーだ!」と声が上がる、あの技。

滑っているのは宇野昌磨さん、そして技の本当の名前は「クリムキンイーグル」です。

All Aboutは2024年5月の記事で見出しに「イナバウアー?」と疑問符を付け、本文で「正しくはクリムキンイーグル」と訂正しました。権威ある媒体ですら、まず誤称で読者を引きつけてから正すという構図が定着しています。

名前の由来はロシアのイリヤ・クリムキン選手。スプレッドイーグルのバリエーションとして自身の最大の見せ場にしていたことから、この名が付きました。

日本でこの技を代名詞にしているのが宇野さんです。Wikipediaによれば、本人も「トレードマーク」と語っています。

イナバウアーとクリムキンイーグルの違いは「足の形」

宇野昌磨の「足元」だけを追ったら驚きの発見…複雑なステップとエッジワークが生む美しさとは?

出典:宇野昌磨の「足元」だけを追ったら驚きの発見…複雑なステップとエッジワークが生む美しさとは? – 三浦璃来 News

荒川静香さんが2006年トリノ五輪で見せた技の正式名は「レイバック・イナバウアー」。上体を大きく後ろに反らせる点は宇野さんの技と重なります。

決定的に違うのは足です。

技名 足の形 上半身 代名詞とする選手
レイバック・イナバウアー 前後に開く 大きく後ろに反らす 荒川静香
クリムキンイーグル 左右180度に開く 膝を曲げて氷面すれすれまで倒す 宇野昌磨

イナバウアーは前後に開いた足で反る技。クリムキンイーグルは横一直線に開いたイーグル姿勢から、膝を曲げて沈み込む技。見た目の「反り」が似ているだけで、土台がまったく別物です。

このため、宇野さんの演技を見た視聴者が「イナバウアー?」と検索する流れが長年続いてきました。「宇野昌磨 イナバウアー」で探し当てた技の実体は、ほぼすべてクリムキンイーグルだと思ってください。

12歳から続けるクリムキンイーグル、5秒キープの体幹

宇野昌磨選手、“お腹の上”でクリムキンイーグル!CM初出演の感想も明かす

出典:宇野昌磨選手、“お腹の上”でクリムキンイーグル!CM初出演の感想も明かす – MANTAN TV

宇野さんがこの技を観客に見せ始めたのは12歳のとき。氷に手をついて5秒以上姿勢を保つこともできます。

ただし競技では時間との勝負。プログラム内では4秒以内に抑えていました。

2016-17シーズンのショートプログラムでは「イーグル→3回転アクセル→クリムキンイーグル」という並びを採用。ジャンプの前後をイーグル系の技で挟む、贅沢な構成でした。

恩師と靴職人が語る難しさ

2018年平昌五輪前、中日新聞の特集で山田満知子コーチと樋口美穂子コーチは「昌磨は足首や体が柔らかいからできる。体幹も強くないと起き上がれない」と説明しています。

同じ特集で靴職人の橋口清彦さんは別の角度から評価しました。足首のサポートがない状態に近い柔らかい靴でキープできるのは「よほどの体幹」だというのです。

本人が挙げるポイントは「足と体の倒し具合、それをキープする腹筋」。股関節と足首の柔らかさで、苦なく体を倒せると語っています。

柔らかさで沈み、腹筋で戻る。倒れるのは簡単で、起き上がるのが難しい技なんです。

トルソワと並んだ2019年、引退直後に投稿した2024年

宇野昌磨【引退会見】“ゆづ君、ネーサン”2人が競技会去り「取り残されてしまった」 引退「2年前ぐらい」から考える

出典:宇野昌磨【引退会見】“ゆづ君、ネーサン”2人が競技会去り「取り残されてしまった」 引退「2年前ぐらい」から考える – デイリースポーツ【公式】

2019年6月22日、宇野さんはロシアのエテリ・トゥトベリーゼ組の練習拠点で撮った動画をInstagramに公開しました。隣で同じクリムキンイーグルをしているのは、当時14歳のアレクサンドラ・トルソワ選手。

THE ANSWERによると海外ファンから「ブラボー」の声が上がる一方、「ショウマ、最後は死にそうになってる」という反応もありました。5秒キープの裏側は、やはり過酷です。

2024年5月9日にシングルの現役引退を発表した直後の5月20日には、練習着でクリムキンイーグルを決めた写真2枚を「笑」の一言とともに投稿。

2枚目は技の後に潰れたおちゃめなショットで、「本当にいつ見ても美しい」「昌磨くんのクリムキンイーグル大好きです」といったコメントが集まりました。

引退しても、この技だけは手放さない。そんな意思表示にも見えます。

荒川静香と同じ氷に立った2026年1月、そして「2人バージョン」へ

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出典:【会見全編】宇野昌磨「2人の目標かなえたい」本田真凜「昌磨くんとなら実現できる」 アイスダンスチーム結成で2030年オリンピック目指す – サンスポ

イナバウアーの本家とクリムキンイーグルの本家が同じ氷に立った日があります。

2026年1月9日から12日、ダイドードリンコアイスアリーナで開かれた「プリンスアイスワールド2025-2026」東京公演。荒川さんは「With You」でイナバウアーを披露し、宇野さんは「Gravity」を演じました。日刊スポーツは「荒川静香さんイナバウアーで魅了、宇野昌磨さんら華麗演技」と写真特集を組んでいます。

なお、荒川さんプロデュースの「フレンズオンアイス2026」(8月27〜30日)に宇野さんは出演していません。両者の共演として直近なのは、この1月の公演です。

クリムキンイーグルがリフトになった

2026年7月14日、東京辰巳アイスアリーナでの公開練習。本田真凜さんとのアイスダンスで、宇野さんはクリムキンイーグルを組み込んだオリジナルリフトを披露しました。ORICONは「『クリムキンイーグル』が2人バージョンに」と報じています。

宇野さんはこのリフトを「自分たちが取り組んでいることへの自信につながり、僕たちを後押ししてくれる技」と表現。12歳から続けてきた一人の技が、28歳でペアの武器に変わりました。

ちなみに同年4月6日には、スニーカー姿でリンクに立ち、格闘ゲーム「ストリートファイター6」のジュリのポーズをクリムキンイーグル風に再現した写真をXに投稿。西スポWEB OTTO!によればファンは「二人羽織でやってるのかと思わず足の本数をチェック」と困惑したそうです。

氷の上でも、ゲームの話題でも、体を沈めるあの姿勢が宇野さんの記号になっています。

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まとめ

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  • 宇野昌磨さんの「イナバウアー」は正式にはクリムキンイーグル
  • イナバウアーは足を前後、クリムキンイーグルは左右180度に開く別の技
  • 12歳から披露し、氷に手をついて5秒以上キープ可能。競技では4秒以内
  • 支えるのは股関節・足首の柔らかさと、起き上がるための腹筋
  • 2026年7月には本田真凜さんとのリフトに組み込まれ「2人バージョン」

名前は長年間違えられ続けているのに、技そのものは誰よりも正確に覚えられている。それがこの技の面白さです。

次にクリムキンイーグルが競技の場で見られるのは、今秋の全日本選手権予選会。「しょまりん」の初戦で、リフトに組み込まれたこの技がどう評価されるかが最初の焦点になります。

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この記事を書いた人

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