ピンクだらけのピッチで、黒が一番目立つという逆転現象

出典:ナポリ相手にレベル違う鈴木淳之介タッチ集 – bobutyan
ピッチを見渡すと、選手たちの足元が一様にピンク色。
2026年6月に開幕した北中米ワールドカップで、こんな「珍事」が起きています。
ナイキ、アディダス、プーマ。スパイクの3大ブランドが、示し合わせたわけでもないのに、そろってピンク系の新作を前面に押し出したんです。
産経ニュース(2026年6月21日配信)は、これを「桜満開の珍事」と表現しました。
そんな中で、最も目立っていたのが日本代表DF鈴木淳之介選手。
理由は、オーソドックスな黒のスパイクを履いていたから。みんながピンクだからこそ、黒が際立ったわけです。
しかもそのスパイク、従業員14人の日本の小さなメーカー製でした。
なぜ各社そろってピンクに?専門家も「理由は不明」

出典:【 湘南ベルマーレ 】2023Jリーグ開幕企画!#鈴木淳之介 選手 【全選手に聞く20問20答】Presented by リップルコミュニティ – 湘南ベルマーレ公式チャンネル
まず、何が起きたのかを整理します。
産経ニュースによると、2026年6月15日のダラスでの試合などで各社のピンク系スパイクが出そろい、「色被り」が一気に話題になりました。
ピンクを投入したのは、ナイキ「マーキュリアル ヴェイパー 16」、アディダス「F50」、そしてプーマ。
一方で、ミズノとアシックスは白をベースにした新モデルで対照的でした。
スパイク専門店・加茂商事の上原寿仁フットマイスターは、各社のピンク被りを「過去にあまりない」珍事とし、そろった理由は「不明」とコメントしています。
業界のプロでも理由が分からない。そこがこの現象の面白いところです。
ミズノの担当者は、FASHIONSNAPの取材に対し「ファッション業界と同じ流れで、各社がカラートレンドを取り入れた」と分析。
そのうえでミズノは「敢えて白を基調とした」と説明しています。
数字で見るW杯の「足元シェア」
どのブランドがどれだけ使われているのか。FASHIONSNAPがまとめた着用率が興味深いです。
- ナイキ:42.6%
- アディダス:40.3%
- プーマ:10.2%
上位2社でほぼ8割。日本代表26人で見ても、ナイキ8人・アディダス8人・プーマ6人と、大手に集中しています。
だからこそ、大手以外を選んだ鈴木選手の足元が際立ったわけです。
鈴木淳之介の黒スパイクは「従業員14人」の会社製

出典:【(前回大会の)悔しい思いを晴らせた】チュニジア戦後インタビュー 上田綺世/鈴木淳之介/板倉滉|FIFAワールドカップ2026 – 日テレスポーツ【公式】
ここからが、このニュースの一番の見どころです。
鈴木選手が履いていたのは、東京都品川区の「SVOLME(スボルメ)」というメーカーの黒いスパイク。
読売新聞オンライン(2026年6月18日報道)によると、スボルメは2006年設立、従業員14人の中小スポーツメーカーです。
社名は「Soccer」と「Volume」を組み合わせた造語とのこと。
なぜ鈴木選手がこの会社のスパイクを?答えは高校時代にさかのぼります。
スボルメは、鈴木選手が在学した帝京大可児高(岐阜県)のウェア提供先でした。その縁で、高校時代から鈴木選手にスパイクを提供してきたんです。
今回のW杯出場は、スボルメにとって初めてのこと。
取締役の谷川洋二郎さん(41歳)は読売新聞に「自分たちのスパイクがW杯という大舞台で使われるのはうれしいし、誇らしくもある」と語っています。
大手3社がピンクで競い合う裏で、14人の会社の黒が世界の舞台に立った。なかなかドラマがありますよね。
鈴木淳之介ってどんな選手?
鈴木選手のプロフィールも押さえておきます。
- 生年月日:2003年7月12日(報道時点で22歳)
- 出身:岐阜県各務原市
- ポジション:DF(左ストッパー/CB)
帝京大可児高から2022年に湘南ベルマーレへ加入。現在はデンマーク・スーペルリーガのFCコペンハーゲンに所属しています(湘南ベルマーレ公式サイトより)。
意外と知られていない事実と、今後の注目点

出典:【日本代表】鈴木淳之介(DF)経歴・役割・驚きの逸話とW杯2026の注目点 – kappa ASMR
意外と知られていないのが、白スパイク派は鈴木選手だけではなかったという点。
産経ニュースによると、日本代表では田中碧選手・冨安健洋選手も白ベースのスパイクを着用していました。
ピンクが主流の中で、日本代表には「白や黒」を選ぶ選手が複数いたわけです。
参考までに、白基調の代表格であるミズノの新作「モレリア Ⅱ ジャパン」は価格26,400円。
今後の注目点は2つあります。
ひとつは、このピンクトレンドがW杯後も続くのか。ファッション発のカラートレンドだとすれば、来季以降の各社の新色にも影響しそうです。
もうひとつは、スボルメのような中小メーカーがこの「世界の舞台」をどう生かすか。
大手がしのぎを削る色合戦の中で、あえて黒を貫いた一足。その存在感が、次にどんな話題を呼ぶのか注目したいところです。
