「ごぶごぶラジオ」で明かされた休演の理由

2026年7月24日深夜、MBSラジオ「ごぶごぶラジオ」の冒頭で、お笑いコンビ・ライセンスの井本貴史(48)が番組の休演を発表しました。
「私ごとで恐縮なんですが、このたび『ごぶごぶラジオ』を少しお休みさせていただくこととなりました」
続けて「ウチは二人子どもがいるんですけど、下の子どもが重度の障害がありまして」と、7歳の長男に重度の障害があることを明かしています。
「ちょっと家の方に時間を使わないといけないというか、大変で。少し仕事の方を整理させていただこうかなと」
東スポWEBやデイリースポーツの報道によると、MCの浜田雅功は「いろいろ事情がございまして。結果、我々が残って頑張ろう」と返したそうです。
同じ回ではゲラゲラ星人も修行のため一時離脱を発表。進行役はサカイスト・まさよしが務めました。
公表までに費やした5年の話し合い

井本と妻は、実は突然この決断に至ったわけではありません。
「今回、急にパーンと決めたわけではなく、夫婦で5、6年ぐらい話し合ってきました」。AERA DIGITALのインタビューでそう振り返っています。
きっかけの一つは、長男が通っていた療育園でした。他の保護者から「障害のある子どもや保護者のことを、もっと発信してほしい」「講演会をやってほしい」と繰り返し頼まれていたといいます。
ただ当時は「体が小さく、嫁一人でも、周りの少しのフォローがあれば車に乗せることができました」という状態。まだ公表に踏み切れる状況ではありませんでした。
転機は2026年3月。吉本興業の岡本昭彦社長とのランチで、井本は初めて「実は、下の息子にこういう障害があります」と打ち明けます。
岡本社長は「話していってもいいと思うよ。そういうお子さんを頑張って育てている親がたくさんいる中で、芸人としての伝え方が絶対にあると思うねん」と後押ししました。
特別支援学校への入学と、膨らむ家庭の負担

「一番大きかった」入学という転機
公表を後押ししたもう一つの要因が、2026年4月の長男の特別支援学校入学でした。AERA DIGITALでは「一番大きかった」と振り返っています。
入学式では、長男が講堂の座席を素通りしてそのまま舞台に上がってしまうハプニングもあったそうです。
女性一人では支えきれない現実
成長とともに、家庭内の負担も重くなっていました。「身長も体重も増え、それと同時にパワーもついてくる。パニックが起きると、もう女性一人の力では対応が難しい」
夏休みは中学2年の長女も見なければならず、「物理的に手が足りなくなってきた」と明かしています。
長男には自分の顔をたたいたり後頭部を壁にぶつけたりする自傷行為があり、自宅の壁は穴だらけ。井本自身が修理を重ね、「僕のDIYの技術がめっちゃ上がった」というほどです。
耐荷重300キロのトランポリンを、2年経たずに壊してしまったこともあるといいます。
こうした状況を踏まえ、井本は「自分のできる範囲で仕事をしないと、全部が持たない」「一番守らなければいけないのは子どもたちです」と仕事整理の理由を語っています。
単独ライブでの告白と、乙武洋匡氏らの反応

出典:乙武洋匡が井本貴史へ送った”ある言葉”に涙…重度障害を公表した父への想いとは🥹💙 – japani official
初の単独ライブで明かした障害
ラジオでの発表に先立つ2026年5月29日、井本は東京・GINZA ART BOX7で初の単独トークライブを開いています。
「今日は、俺が今まで話してこなかった、でも皆さんに知っておいてほしい、僕の個人的な話をします」。そう切り出し、「息子に重度の知的障害と自閉スペクトラム症があります」と初めて公の場で明かしました。
障害を告白した直後、息子についての笑い話をしても客が笑ってくれるかどうかは、井本にとって一つの挑戦だったといいます。「笑ってくれたんですよ」「公表への怖さが少しほどけた瞬間でした」
乙武洋匡氏からのエール
発表の翌日にあたる7月25日、作家の乙武洋匡氏がXで反応しました。「『親としてできるかぎりのことをしてあげたい』という井本さんの思いが伝わってきます」とつづり、日本の福祉制度が家族の負担を前提にしている点にも触れています。
「井本さんご家族にたくさんの幸せな時間が訪れるよう心から願っています」とエールを送りました。
日常に見える小さな成長
細かな日常にも工夫がにじみます。長男の飲み物は白ぶどうジュースと水を3対7で薄めたもの。毎朝6時から6時半ごろには「往復ビンタで起こされる」というエピソードも明かしています。
言葉は不自由でも、成長は確かにあります。「あいうえお」と言えるようになり、「や」と言うと本人は「やっ!!!」と返すそうです。それを聞いた妻と長女が笑うのが、井本家の日常の楽しみだといいます。
トークライブは今後も続ける考えで、「日比谷公会堂でやってみたい」と語っています。ラジオの休演はあっても、芸能活動そのものをやめるわけではありません。
