高木菜那は今、どこに所属している?

オリンピックで金メダルを2つ手にした人物が、取材依頼をすべて自分のウェブサイトの問い合わせフォームで受け付けている。
返信の目安は「約1週間」。
これが高木菜那の現在地です。
公式サイト(nana-takagi.com)にも、講演依頼.comのプロフィールにも、所属する芸能事務所やマネジメント会社の記載はありません。
肩書きは「元スピードスケート選手」のみ。
講演料も金額非公開の「非公開講師」扱いで、事務所を通さずフリーランスとして活動している格好です。
現役時代の所属先は消滅していた
高校卒業後の2011年、高木は日本電産サンキョーに入社しました。
ところが2022年3月1日、会社側は突如「スケート部を3月31日付で廃部」と発表。
8名の選手が在籍していたこのチームは、そのまま解散という形で幕を閉じています。
引退のわずか1カ月前に、拠り所そのものがなくなったわけです。
アイ工務店との関係は「CM出演」
2023年7月18日、札幌のJRタワーホテル日航札幌で高木を起用したCM発表会が開かれました。
北海道拠点オープンに合わせた「入社」篇というタイトルのCMで、同年10月には第2弾「お客様が一番」篇も放映されています。
このタイトルから「アイ工務店に就職した」と紹介するサイトも見かけますが、公式プロフィールの現在の活動欄には「テレビ・イベント出演、教育機関や企業での講演」とあるのみ。
社員として在籍している一次情報は見当たりません。
CM出演契約と捉えるのが実態に近そうです。
このほか、アスリート仲間との共演ラジオ「From Athlete!」(毎週土曜6:00〜8:55)もレギュラーで担当しています。
高木菜那が現役引退を決めた理由

出典:【スピードスケート高木菜那】注目の引退会見フル映像 金2個・銀1個獲得のオリンピアン 引退の理由とは! – 日テレスポーツ【公式】
2022年4月5日、高木は会見を開き現役引退を表明しました。当時29歳。
本人が語った理由は2つあります。
1つ目は「第2の人生を考えた時にすごくワクワクした。スケートと同じぐらいやりがいのあることを見つけたい」という前向きな動機。
2つ目が核心を突いています。
「高木美帆の姉ではなく、高木菜那として戦えたことが引退を決意した理由です」。
高校時代を振り返り、「妹が速いから、と自分自身で妥協して、そこに逃げ道を作っていた」とも明かしました。
嫉妬や葛藤を抱えながら競技を続け、最後には「妹がいたから戦えた」という着地に至ったことになります。
直前に迎えた北京五輪については「つらかったけど、チームのありがたみや仲間の大切さを感じられた」とコメント。
今後については「機会があればメディアや講演で自分の言葉で伝えていければ」と語り、実際にその通りの道を歩んでいます。
背景には、前述の日本電産サンキョー・スケート部廃部もありました。
会社側は廃部理由を「強いリーダーの不足」「スケート選手を目指す若者の減少とレベル低下」と説明しており、4月入社予定だった高校生が当日にこの事実を知らされる事態にもなっています。
高木菜那のスケート人生と経歴
1992年7月2日、北海道中川郡幕別町生まれ。7歳でKSCスケートクラブに入りスピードスケートを始めています。
実業団入りから平昌五輪の2冠まで
2011年、高校卒業と同時に日本電産サンキョーへ入社。大学には進まず実業団入りという道を選びました。
ソチ五輪(2014年)では1500mが32位、団体パシュートは4位。
2015年の世界選手権(ヘーレンフェイン大会)では団体パシュートで金メダルを獲得しています。
転機は平昌五輪(2018年)です。団体パシュートで金、そしてこの大会から新種目となったマススタートでも金。
日本人女子選手として冬季五輪の同一大会で2つの金メダルを獲得したのは、高木が初めてでした。
同年12月のW杯第4戦マススタートでも優勝し、全日本選手権では総合優勝も果たしています。
北京五輪の転倒、そして引退後の学び直し
北京五輪(2022年)は団体パシュートで銀メダル。1500mは8位、マススタートは27位でした。
2月15日のパシュート決勝、日本は終始カナダをリードしていたにもかかわらず、最終コーナーで高木が転倒。連覇を逃しています。
引退後の歩みも決して立ち止まってはいません。
2023年4月、筑波大学大学院スポーツウエルネス学学位プログラム博士前期課程に進学。2025年3月29日に修了しています。
「信念を持って臨んできたスケート人生を、説得力のある言葉で伝えるため」というのが進学の理由でした。
その学びの成果とも言えるのが、2026年2月7日に刊行した初の著書『7回転んでも8回起きる』(徳間書店)です。
スケートとの出合いから、妹・美帆との比較、金メダルの景色までを自らの言葉で綴った一冊になっています。
さらに2026年のミラノ・コルティナ五輪では、スピードスケート競技のテレビ解説を担当。現地入りも果たしました。
高木菜那の年収はいくら?

出典:2018 平昌五輪 マススタート 高木菜那 金メダル 初代女王! – スポーツ
現在の年収を示す公表資料は見当たりません。講演料も非公開扱いで、金額は明かされていないのが実情です。
ただし、過去に公表された具体的な金額はあります。
平昌五輪での2冠を受け、所属先の親会社である日本電産は2018年2月28日、永守重信会長が会社側と会長個人から金メダル2個分として計4000万円を贈ると表明しました。
あわせて3階級特進で係長級への昇進も発表されています。
これとは別に、JOC(日本オリンピック委員会)の報奨金は金メダル1個につき500万円。平昌での2冠分で計1000万円相当が支給された計算です。
このJOCの報奨金額は10年以上据え置かれており、国際的に見ても水準が低いと指摘されています。
引退後の収入源は、テレビ出演(五輪解説を含む)、アイ工務店のCM出演、教育機関や企業向けの講演、ラジオのレギュラー出演、そして著書の印税と広がっています。
事務所を持たず、これらすべてを自らのウェブサイトを窓口に管理している点が、高木のキャリアの特徴と言えそうです。
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まとめ

出典:女子団体パシュート 高木菜那、美穂、菊池彩花、佐藤綾乃 – rerurene310
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 所属事務所 | なし(フリーランス)。現役時代は日本電産サンキョー(2022年3月廃部) |
| 引退理由 | 2022年4月5日会見。「高木美帆の姉ではなく高木菜那として戦えた」ことが決め手 |
| 経歴 | 2011年実業団入社→平昌五輪2冠(2018)→北京五輪銀(2022)→筑波大学大学院修了(2025)→著書刊行(2026) |
| 年収 | 非公表。平昌五輪報奨金4000万円、JOC報奨金1000万円は確定情報 |
2026年のミラノ・コルティナ五輪では解説者として現地から声を届けた高木菜那。
次に注目したいのは、著書『7回転んでも8回起きる』を通じてどんな言葉を発信していくかです。
