緒方恵美さんが「ようやくスタートライン」と投稿した理由

出典:『マンガ=超ヴァイブル』Music Video 【ANCHOR feat. 緒方恵美と鬼頭明里】 – コミステ!by コミックシーモア
2026年4月18日、声優の緒方恵美さんがX(旧Twitter)に投稿した一言が話題になっています。
「ようやくスタートライン」。
この言葉の背景にあるのは、前日4月17日に法務省が開催した「肖像、声等の無断利用による民事責任の在り方に関する検討会」の初会合です。
声優の声を無断でAI学習に使う問題について、国がついに本格的な議論を始めたんです。
緒方さんは投稿で、こう続けています。「粘り強く交渉してくださった方々、丁寧に耳を傾けてくださった方々に感謝」。
そして「私たちだけでなく、誰もがディープフェイクの被害者になりうる」とも。
ハッシュタグには「#NOMORE無断生成AI」が添えられていました。
「NOMORE無断生成AI」とは何か

出典:声優・緒方恵美さん「尊厳が踏みにじられていく」 声優が語る 生成AIとの向き合い方 第1弾 – テレ東BIZ ダイジェスト
2024年10月15日、声優26名が集まって立ち上げたのが「NOMORE無断生成AI」というキャンペーンです。
参加メンバーが豪華すぎるんです。
- 山寺宏一さん
- 中尾隆聖さん
- 梶裕貴さん
- 福山潤さん
- 関俊彦さん
- 朴璐美さん
- 浪川大輔さん
など、日本の声優界を代表する顔ぶれが名を連ねています。
そしてもちろん、『新世紀エヴァンゲリオン』の碇シンジ役で知られる緒方恵美さんもその一人。
キャンペーン発足の翌日、2024年10月16日には、緒方さんがXでこう投稿しました。
「亡くなられた方でも『権利』は残してさしあげてほしい」「声でも絵でも文章でも、好き勝手に、は、違う」。
故人の声までもがAIで無断再現される現状への、強い問題提起でした。
業界13団体も連名声明を発表
2025年2月3日には、日本俳優連合(日俳連)、マネ協、声事協など音声業界13団体が連名で声明を発表しています。
要望は次の3項目。
1. AI生成であることの明記
2. 本人許諾の取得
3. 吹き替え制作への使用禁止
声優一人ひとりではなく、業界全体が一致団結して動いた、大きな一歩でした。
緒方恵美さんが訴え続けてきたこと
![【落合陽一】緒方恵美、呪術廻戦0は「全ての経験値がなければできなかった」 幽遊白書での“大勘違い”とエヴァ壮絶現場を激白!「声優になりたいと言う人はなれない」の真意とは?[再編ver. 特別公開]](https://img.youtube.com/vi/LMbqvDSQRvE/hqdefault.jpg)
緒方さんは活動の中で、繰り返し具体的な被害事例を挙げてきました。
2025年7月、テレビ東京『ワールドビジネスサテライト(WBS)』に出演した際の発言が印象的です。
「尊厳が踏みにじられていく」「クリエイターへのリスペクトがない」。
そして「技術で意図的に作られた声と、声優が出す声には明らかな違いがある」とも語っています。
2025年9月のデイリー新潮ロングインタビューでは、こう表明しました。
「生成AIが私の声でセリフを読んでも、それは私の芝居ではありません」。
34年にわたって声で表現を続けてきた人だからこその、重い言葉です。
「卑猥なセリフをしゃべらされる」具体的被害
緒方さんが警鐘を鳴らしているのは、抽象的な権利侵害だけではありません。
本人の知らないところで「卑猥なセリフをしゃべらされる」事例があると指摘しています。
本人になりすました音声でフェイク動画が作られ、犯罪に悪用される危険性。
さらに「若手を育成する場も、声優としての仕事も奪われかねない」と、業界の未来そのものが揺らぐ構造的な問題も訴えてきました。
読売新聞の取材では「雇うより安価」という理由で著名人の声がAIで無断生成される商法を、「フリー素材のように使うのは問題」と批判しています。
法務省の動きと今後の展望
2026年4月17日に発足した法務省の検討会では、「声」をパブリシティ権・肖像権の保護対象とする方向で議論が進められています。
注目すべきは、2026年夏までに現行法での違法行為の範囲・基準のガイドラインを取りまとめる方針が示されていること。
つまり、あと数ヶ月で具体的な基準が見える可能性があるわけです。
ただし、日俳連の池水通洋代表理事は以前から「話は聞いてもらえるが事態は改善しない」と発言してきました。
緒方さんが「ようやくスタートライン」と表現したのも、この長い交渉の歴史を踏まえてのこと。
意外と知られていない事実
テレビ東京WBSは「無断生成AIから”声”を守る」というシリーズ企画を組んでおり、その第1弾出演者として緒方さんを起用していました。
経済番組がこのテーマを継続的に取り上げているのは、声優業界だけの問題ではなく、産業構造全体に関わる課題と認識されている証拠とも言えます。
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まとめ

出典:【緒方恵美】緒方恵美人気キャラランキングアニメBEST20!【アニメ】#緒方恵美#声優#ボイス – ニア/Nia
緒方恵美さんを含む声優26名による「NOMORE無断生成AI」の活動は、約1年半をかけて、ついに国の検討会発足という具体的な動きを引き出しました。
2026年夏に予定されているガイドライン取りまとめが、次の大きな節目になりそうです。
緒方さんが投稿で書いた「誰もがディープフェイクの被害者になりうる」という言葉。
これは声優や芸能人だけの問題ではなく、私たち一人ひとりが当事者になる可能性のある問題なんですよね。
法整備の行方を、引き続き見守りたいところです。
