高畑勲の自宅で見つかった「幻の脚本」と7冊のノート

出典:高畑勲監督「火垂るの墓」今夜放送 あらすじ&登場人物まとめgurj – King News japan
映画『火垂るの墓』に、原作小説には存在しない「F清太」という設定が隠されていた。
この「F」は、フランス語の「ファントム(Phantom=亡霊)」を読み取れるもの。終盤に登場する清太の幽霊は、高畑勲監督の意図的な仕掛けだったんです。
きっかけは、2018年に死去した高畑監督の自宅から見つかった資料でした。
コミックナタリーの報道によると、没後に映画の創作過程を記した7冊の構想ノートと「幻の脚本」が発見されたとのこと。
この資料を読み解いたNHK Eテレ「ETV特集」が放送され、大きな反響を呼びました。
1988年公開の『火垂るの墓』は未完成だった?

出典:映画「火垂るの墓」について語っていた高畑勲監督 ネット配信が国内で初めて始まる – 朝日新聞
実はこの名作、未完成のまま劇場公開されていた——知ってましたか?
映画.comの報道によれば、『火垂るの墓』が封切られたのは1988年4月16日。
ところが清太が野菜泥棒をするシーンなど2箇所に色がついていない状態での公開でした。
完成したのは、公開から約1ヶ月後だったといいます。
高畑監督自身も「ぼくは火垂るの墓を全然完成しないで封切った」と語っていました(アニメ!アニメ!)。
制作には精鋭スタッフが集結。
- 近藤喜文(キャラクターデザイン・作画監督)
- 山本二三(美術監督)
- 百瀬義行(レイアウト・作画補佐)
この布陣で作られた作品が、ギリギリの進行だったというのは意外な事実です。
「F清太」の謎と高畑勲が込めた意図

発見されたノートの最大のポイントが、先ほどの「F清太」です。
CINRAの報道によると、高畑監督は原作にない「F清太=亡霊の清太」をあえて創作していました。
そして高畑監督は生前、こう語っていたそうです。
> 「これは反戦映画ではない」
さらに著書『アニメーション、折にふれて』では、「戦争の悲惨さを描く映画は真の意味で反戦にはなり得ない」と問題提起。
「私たちみんなが知らなければならない最大の問題は、戦争を始めるときのことなのではないでしょうか」と記していました(映画.com)。
悲劇を描くだけでは終わらせない。
そんな高畑監督の創作の核心が、ノートから見えてきたわけです。
ノートを書籍化『高畑勲と「火垂るの墓」』6月24日発売

出典:【美輪明宏】高畑勲監督の『火垂るの墓』 – ThePleiadian2012
番組の内容は、書籍としてまとめられました。
新潮社のプレスリリースによると、『高畑勲と「火垂るの墓」─「幻の脚本」と「7冊の構想ノート」を読み解く─』が2026年6月24日(水)に発売されます。
書籍の概要は以下の通りです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 価格 | 1,980円(税込) |
| 判型・ページ | 四六判・224ページ |
| カラー口絵 | 8ページに13点を掲載(うち2点は初公開) |
| 著者 | 寺越陽子(NHK首都圏局ディレクター) |
著者の寺越陽子さんは、「戦後80年を迎えた今、創作ノートから見えてきたのは、いまの時代のわたしたちへのメッセージ」とコメントしています。
番組放送直後には、SNSで「素晴らしいドキュメンタリー」「高畑勲の恐ろしさを感じた」といった声が上がりました。
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まとめ:35年以上を経て明かされた創作の裏側

出典: 「火垂るの墓」制作秘話 ~高畑勲が込めた真意と野坂昭如の自責の念~ – 歴史の裏側
『火垂るの墓』の幻の脚本と7冊のノートは、2025年8月のNHK ETV特集と2026年6月発売の書籍を通じて公表されました。
注目すべきは、原作にない「F清太=亡霊の清太」という創作意図です。
名作の見え方が変わる、そんな資料の数々。
公開から35年以上を経て明かされた高畑監督の思考の跡は、書籍でじっくり読み解けそうです。
